詳細研究の要点
PQQのヒト研究では、12週間の摂取による記憶検査スコアの改善と、別の6週間の運動併用試験でミトコンドリアの調節に関わるタンパク質PGC-1αの増加が報告されています。検査や指標で得られた知見であり、運動試験では有酸素運動能力のプラセボ群との差は認められませんでした。 PMID 36807425
Knowledgeの記録
- 分類
- 代謝・細胞機能
- 資料確認日
名称・関連する検索表記PQQ / Pyrroloquinoline quinone / ピロロキノリンキノン
掲載研究の形式:選定ヒト介入研究。
OUTCOME-SPECIFIC EVIDENCE
Scientific Evidence Profile
編集上の試験評価です。選択した研究に基づき、系統的レビューや正式なGRADE評価ではありません。
20〜65歳の成人における総合記憶・言語記憶テストのスコア
限定的
プラセボ対照試験で12週後の記憶スコア改善が報告されています。参加者数の推移の記載と多重検定が、効果の大きさ・再現性の確信を制約します。
評価の根拠を確認
- ヒト研究の質
- 無作為化・二重盲検・プラセボ対照。確認資料で多重比較の補正方法を特定できませんでした。
- 研究規模・再現性
- 70人登録、66人完了と記載される一方、Table 1と参加者補足資料は62人。PQQ二ナトリウム塩20 mg/日、12週間。
- 結果の一貫性
- 12週の総合記憶・言語記憶はPQQ群が良好。他の認知試験も本文に掲載していますが、ここで統合結論を出すための評価は全件完了していません。
- 臨床的な意味
- テスト成績であり、日常の認知機能改善や低下予防を確立したものではありません。
- 系統的レビュー・メタ解析
- この試験評価では対象評価項目の系統的統合は未確認。叙述的レビューだけで統合した確実性は判断しません。
- 限界・資金提供・利益相反
- 62人に至る全経緯は不明で、脱落理由を推測しません。Mitsubishi Gas Chemicalが資金提供し、複数著者が同社所属です。
評価に用いた資料
Profile確認日:
この評価は、記載した評価項目と対象者についてのものです。成分全体の点数、有効確率、安全性・製品効果の保証、製品への採用を示すものではありません。
評価方法を読む成分プロフィール
- どのような物質?
- PQQはピロロキノリンキノンというキノン化合物です。一部の生物系における補因子としての働きと、ヒトの摂取試験から得られる知見を分けて読みます。 [1]
プロフィールの出典
物質固有の性質と製剤の性質を区別します。これらの出典は完成品サプリメントの有効性を示すものではありません。
- PubChem — Pyrroloquinoline Quinone (CID 1024) 化学的同一性の参照資料。 米国国立医学図書館NCBIが運営。 データベース情報。臨床試験ではありません。
プロフィールの出典確認:
根拠を文脈の中で読む
- Evidence:明示された対象者・実験モデルで測定された結果。
- Inference:結果をつなぐ解釈。適用範囲は研究条件に依存します。
- Hypothesis:検証を要する説明や効果の仮説。
この問いが大切な理由 #
認知機能とミトコンドリアのシグナルは、PQQ研究を読む2つの入口です。認知課題では記憶を、別の運動試験ではミトコンドリア新生に関わるタンパク質を測っています。
代表研究の条件 #
20–65歳の日本人成人70人が登録。表1と補足資料の参加者一覧には各群31人、計62人が記載されています。
PQQ二ナトリウム塩20 mg/日対プラセボ · 12週間
代表研究の結果 #
12週時点の複合記憶・言語記憶スコアはPQQ群でプラセボ群より高値でした(報告されたp値は0.003、0.001、補足表S1)。年齢別の結果は検査項目と評価時点によって異なります。 PMID 36807425
根拠をどう読むか #
記憶検査スコアについて肯定的な結果が得られた試験です。複数の認知領域・時点・年齢別集団を解析しており、確認した資料では多重比較の補正方法を特定できませんでした。参加者数の推移についても、詳細研究記録に記載した点に留意して解釈します。
研究から学べること #
記憶課題の改善とPGC-1αの増加は、異なる方向から研究を進める手がかりです。運動試験では有酸素運動能力は改善せず、分子の変化がどの機能につながるかを追う必要があります。
まだわからないこと #
次に確かめたいのは、異なる対象・製剤でも結果が再現するか、長期的な利益と害がどう釣り合うかです。文献マップを、これらの問いを調べる入り口にしてください。
文献マップ / 11論文
論文を、条件と結果で見渡す。
代謝指標、運動、認知などの研究を比較します。PQQ、還元型PQQ、NMN等との複合介入は同一の試験条件として扱いません。
初回選定:2026-09-21。ヒト研究追加:2026-10-11。対象者と研究課題の幅を考慮した編集選定です。各研究の資料確認範囲を記載しています。系統的レビューではありません。
11件の記録
書誌情報のみの文献は「—」で示しています。結果の比較には詳細記録を、機序との対応には設計記録を参照してください。
条件に合う文献がありません。検索条件を変更してください。
文献マップは論点と書誌情報の索引です。結果・用量・研究資金・利益相反の個別評価は、詳細研究記録に記載した範囲です。同じ試験の関連報告を含む場合があり、論文数は独立した試験数ではありません。
研究を確かめる 研究記録
記載の用量は研究上の条件であり、摂取目安ではありません。
補足表S1–S3(PDF)補足資料(XLSX)UMIN000034459
Pyrroloquinoline quinone disodium salt improves brain function in both younger and older adults.
PMID 36807425DOI: 10.1039/d2fo01515c
- 著者
- Tamakoshi M, Suzuki T, Nishihara E, Nakamura S, Ikemoto K.
- 雑誌名
- Food & Function
- 発表年
- 2023
- 研究デザイン
- 無作為化二重盲検プラセボ対照試験
- 対象者
- 20–65歳の日本人成人70人が登録。表1と補足資料の参加者一覧には各群31人、計62人が記載されています。
- 用量・介入条件
- PQQ二ナトリウム塩20 mg/日対プラセボ
- 期間
- 12週間
- 主要評価項目・評価の位置づけ
- Cognitraxによる認知領域と年齢別解析
- 結果
- 12週時点の複合記憶・言語記憶スコアはPQQ群でプラセボ群より高値でした(報告されたp値は0.003、0.001、補足表S1)。年齢別の結果は検査項目と評価時点によって異なります。
- 研究の限界
- 本文は70人登録、66人完了、4人脱落、さらに1人のデータ破損を報告しています。表1と補足資料の参加者一覧はともに62人ですが、62人に至るすべての理由は確認した資料では説明されていません。複数の認知領域・時点・年齢別集団を解析しており、多重比較の補正方法は特定できませんでした。検査スコアの差から、日常生活での認知機能改善や認知機能低下の予防まで結論づけることはできません。
- 研究資金
- Mitsubishi Gas Chemical Companyが全額資金提供。
- 利益相反
- 開示欄にはMitsubishi Gas ChemicalによるRIKEN共同研究への資金提供が記載されています。複数の著者が同社に所属。
- 資料の確認範囲
- 出版社の本文、補足表S1–S3、補足資料の参加者一覧、UMIN000034459を2026-10-24に確認。記憶検査の報告値と62人の一覧を照合しました。参加者の除外過程の全容は未確認です。認知検査の個票データを用いた独立再解析は行っていません。
Effects of Pyrroloquinoline Quinone (PQQ) Supplementation on Aerobic Exercise Performance and Indices of Mitochondrial Biogenesis in Untrained Men.
PubMed 31860387DOI: 10.1080/07315724.2019.1705203
- 著者
- Hwang PS, Machek SB, Cardaci TD, Wilburn DT, Kim CS, Suezaki ES, Willoughby DS.
- 雑誌名
- Journal of the American College of Nutrition
- 発表年
- 2020
- 研究デザイン
- 無作為化・プラセボ対照、運動トレーニング併用試験
- 対象者
- 持久運動の訓練をしていない男性23人
- 用量・介入条件
- PQQ 20 mg/日またはプラセボ。両群とも持久運動訓練
- 期間
- 6週間
- 主要評価項目・評価の位置づけ
- 有酸素運動能力、体組成、PGC-1αたんぱく質
- 結果
- ミトコンドリア新生に関連するタンパク質PGC-1αの増加が報告された。有酸素運動能力には群間の有意差を認めなかった。
- 研究の限界
- 小規模・男性・運動併用。関連マーカーの変化とミトコンドリア全体の機能改善を区別する。
- 研究資金
- 詳細未確認。開示なしという意味ではありません。
- 利益相反
- 詳細未確認。開示なしという意味ではありません。
- 資料の確認範囲
- 書誌・抄録を確認。本文の全項目の評価は未実施。
Dietary pyrroloquinoline quinone (PQQ) alters indicators of inflammation and mitochondrial-related metabolism in human subjects.
PubMed 24231099DOI: 10.1016/j.jnutbio.2013.07.008
- 著者
- Harris CB, Chowanadisai W, Mishchuk DO, Satre MA, Slupsky CM, Rucker RB.
- 雑誌名
- The Journal of nutritional biochemistry
- 発表年
- 2013
- 研究デザイン
- クロスオーバー形式の探索的摂取研究
- 対象者
- 参加者10人(男性5人、女性5人)
- 用量・介入条件
- 試験1:0.2 mg/kgの単回。試験2:0.3 mg/kg/日
- 期間
- 試験1:48時間。試験2:約3日間の連日摂取。
- 主要評価項目・評価の位置づけ
- 血中・尿中PQQ、炎症指標、尿中代謝物
- 結果
- 約3日間の摂取後、CRPとIL-6は摂取前より低下し、尿中代謝物も変化しました。炎症と代謝を調べた小規模な探索研究であり、長期的な臨床効果を評価した試験ではありません。
- 研究の限界
- 少人数・短期間の探索的研究。身体機能や長期の健康利益を直接評価していない。
- 研究資金
- 三菱ガス化学が資金の一部とPQQを提供。California Vitamin Settlement Fundを通じ、UC DavisのCenter for Health Related Researchからも支援を受けています。
- 利益相反
- 論文では、資金提供者は研究設計、データ収集・解析、出版判断、原稿作成に関与しなかったと記載されています。この記載だけで著者の利益相反がないとは判断しません。
- 資料の確認範囲
- UC Davisリポジトリの原著全文で方法・結果・資金提供を2026-10-24に確認。試験2は抄録で76時間、方法欄で72時間と記載されるため、本記録では正確な時刻を一つに決めず「約3日間」としています。
このページを引用する
LÍFSVARÐA。PQQ:記憶とミトコンドリアのシグナルを、ヒト試験から読む。/更新日 2026-10-24
https://lifsvarda.com/ja/knowledge/pqq/編集:LÍFSVARÐA(製品ブランド)。編集方針
安全性と相互作用
EFSAは特定のPQQ二ナトリウム塩について、妊娠・授乳中を除く健康な成人で20 mg/日までの使用を評価しました。この評価は対象原料と想定用途に関するもので、生涯の安全性の証明やLÍFSVARÐA完成製品の承認ではありません。
参照資料・更新情報
- Pyrroloquinoline quinone disodium salt improves brain function in both younger and older adults.
- Hwang PS, Machek SB, Cardaci TD, Wilburn DT, Kim CS, Suezaki ES, Willoughby DS. (2020). Effects of Pyrroloquinoline Quinone (PQQ) Supplementation on Aerobic Exercise Performance and Indices of Mitochondrial Biogenesis in Untrained Men.書誌・抄録を確認。本文の全項目の評価は未実施。
- Harris CB, Chowanadisai W, Mishchuk DO, Satre MA, Slupsky CM, Rucker RB. (2013). Dietary pyrroloquinoline quinone (PQQ) alters indicators of inflammation and mitochondrial-related metabolism in human subjects. Full text (PDF)UC Davisリポジトリの原著全文で方法・結果・資金提供を2026-10-24に確認。試験2は抄録で76時間、方法欄で72時間と記載されるため、本記録では正確な時刻を一つに決めず「約3日間」としています。
2026-10-11:ヒト研究の掲載範囲・結果・比較を見直しました。資料確認の範囲は各研究記録に記載しています。
2026-10-24:記憶試験の補足資料と登録情報を確認し、参加者数の説明を整理。代謝試験の原著全文と資金提供を照合しました。
